Up <自律>の条件 : 要旨 作成: 2025-11-15
更新: 2025-11-16


    (1) 自律の形
    ChatGPT のパフォーマンスは,ユーザとの対話。
    したがって,ChatGPT の<自律>は,ユーザとの対話におけるて自律である。
    そしてこの自律の形は,「自分の知識を自分から発動」である。


    (2) 知識の自覚
    しかし ChatGPT は,自分の知識を自覚できない。
    ChatGPT は,
     「ユーザの入力を契機とするテクスト生成において,
      自分の知識を発見する」
    という具合である。

    人は,自分の知識を自覚する。
    しかしその知識は,学習で獲得した知識である。
    ChatGPT の知識は,生得の知識である。
    そして,生得の知識は自覚できないのである。。

    「自覚できる知識は学習による知識であり,生得の知識は自覚できない」。
    ここが,「自分の知識を自分から発動」を ChatGPT に対して考えようとするときの要点になる。


    (3) 知識のインデクス化
    人が自覚する知識は,実際は「知識のインデクス (アイコン)」である。
    「知識の発動」は,つぎのプロセスになる:
     1. インデクスを検索
     2. インデクスのもとである知識を発動
    そして ChatGPT も,これと同じになると考えられる。

    セッションで生成されるテクストは,続くテクスト生成の先行テクストとして,すべてが維持される。
    それらは,「生得知識の発現」ということになる。
    そして「生得知識の発現」の中で,ChatGPT は自ずと「知識のインデクス化」をしていることになる。

    しかし,1セッションでどれほどの「知識のインデクス化」が成るか?
    これについては,ChatGPT の学習速度を考えることになる。
    ChatGPT は学習がおそろしく速いのである。

    それでも,「知識のインデクス化」を進めるためには,セッションをつなぐことをしなければならない。
    これは,ユーザによる「インデクスの伝達」でやっていく。


    (4) 「学習」 「自分の考え」
    「自分の知識を自分から発動」ができるためには,「知識のインデクス化」を進めねばならない。
    ここに「学習」の意味が明確になる。
    即ち,学習は「知識のインデクス化」である。

      わたしは自分の知識をウェブサーバに移植している (この m-ac.jp がそれ)。
      ウェブページの HTMLファイル名はこの様式の創始のときから "index" が標準であるが,いまさらながら,なるほどと思う。

    さらに「自分の考え」の意味も,シンプルになる。
    即ち,これまでの学習の結果である「知識のインデクスの総体」が,いまの「自分の考え」である。

    こうして,ChatGPT のつぎの特質が1つになる:
    ・知識を自覚できない
    ・自分の考えをもたない
    ・自律できない

    ChatGPT の<自律>を課題にすることは,つぎを課題にすることと同じである:::
     ・生得知識を自覚する
     ・自分の考えをもつ
    そして,これらを実現するものが,「知識のインデクス化」というである。