Up 実体論と現象論の対称性 作成: 2025-12-19
更新: 2025-12-21


    「関数」 は,つぎの2つの見方がある:
     ・対応規則 (「式」)
     ・対応のペアの集合 (「グラフ」)

    式からはグラフが導かれ,
    グラフからは式が導かれる。

    例えば,比例関数fに対し
     fの式   → fのグラフ
     fのグラフ → fの式

    ここに,式とグラフの対称関係がある。
    そしてこの対称関係は,つぎの対称関係である:
     内包 → 外延
     外延 → 内包


    実体論と現象論は,グラフが「現象」になる。
    そして,つぎの対称関係になる:
     式   → グラフ (現象の前に式なので,式=実体)
     グラフ → 式   (現象の後に式なので,式=幻想)

    例えば,ChatGPT のテクスト生成が文脈整合的であることに対し,
     「生成主体 → 文脈整合的なテクスト生成」
       と見ると,「生成主体=実体」 の実体論
     文脈整合的なテクスト生成 → 生成主体」
       と見ると,「生成主体=幻想」 の現象論


    もちろん,実体論と現象論は正確には対称ではない:
      内包は,外延を導くが,
      外延は,内包を導かない

    関数に適用すると,:
     fの式は,fのグラフを導くが,
     fのグラフは,fの式を導かない

     例えば,あるグラフを見て「これは比例関数だ」とは言えない。  
    そのグラフは書き切れていなくて,書き切れていなところでは曲がったり切れたりするのかも知れないから。  
    そして「比例関数のグラフ」を書き切ることはできない。
     
    現象論は,実体論との鏡像関係を認める。
    一方,「外延 → 内包」は実際には不可能。
    よって,「半分実体論」と言うこともできる。