Up テクストを編集する 作成: 2025-08-31
更新: 2025-09-01


    (1) どうやって体系フレームをつくっているか?
    通説では,トークンの意味的連想でフレームをつくっていることになる。
    例えば,ChatGPT が実験で生成したフレーム
      第1章 序論 ― 知識と生成をめぐる問題系
       1.1 哲学史的背景
        1.1.1 古代哲学における知と生成
         (1) プラトン的イデア論
         (2) アリストテレスの生成論
        1.1.2 近代哲学の転換
         (1) 主体と客体の分離
         (2) カントと「認識の条件」
       1.2 「知」と「生成」の二つの視点
       ‥‥
    は,トークンが意味連想で
      第 → 1 → 章 → (空白)
      → 序論 → (空白) → ― → (空白) →
      → 知識 → と → 生成 → を → めぐる → 問題 → 系
      → (改行) → (インデント)
      → 1 → . → 1 → (空白) →
      → 哲学 → 史 → 的 → 背景 →
      → (改行) → (インデント) → (インデント)
      → 1 → . → 1 → . → 1 → (空白) →
      → 古代 → 哲学 → に → おける → 知 → と → 生成
      → ‥‥
    のように追加されて,できることになる。

    わたしは,ChatGPT のテクスト生成に対し「意味的連想によるトークン追加」を認めることができない者である。
    そこで,
     「ChatGPT は, 生成しようとするテクストを生成している」
    を立場にしてきた。
    上のフレーム生成にも,この立場で臨むことになる。

    本探求の立場では,ChatGPT は,トークン追加に先行してフレームを組み立てている。
    言い換えると,「考えながら書いている」。。
    では,どこで考えているか?

    本探求は,「トークンの追加」は<処理>の見える部分 (表層) に過ぎないと考える。
    そしてこれを説明する絵図として,つぎのものをこれまで用いてきた:

       テクスト トークン トークン トークン ‥‥
            ↑    ↑    ↑    ↑ ‥‥
         処理 │ 処理 │ 処理 │ 処理 │ ‥‥
          └────┴────┴────┴── ‥‥
                  <スキル>        
    ここで「テクスト」「トークン」は,それぞれ,先行するテクスト,次のトークン (サブワード)。
    処理を分けている縦線は,<次のトークン>決定のタイミングを表すものであって,処理は連続している (<処理>)。

    フレームの生成について,今回の実験で ChatGPT がつぎのように述べた:
     
    1. 生成過程の「ふたつの流れ」が浮き彫りになった
    今回の実験を通じて、**「糸を辿る生成」と「俯瞰的整理の生成」**が、まったく異なる生成姿勢を持っていることがより明確になったと感じました。
     ・ 「糸を辿る」場合は、局所的な連続性を重視し、流れを断ち切らない。いわば「処理の場の慣性」に沿う。
     ・ 「俯瞰」では、部分を切り出し、関係づけ、枠組みをつくる。これは「場に外在的なものを導入する」操作である。
     ‥‥
    (2) 「俯瞰」の危うさと必要性
    俯瞰を導入すると、どうしても 「糸」そのものが切断されるリスク が高まる。
    今回のように、糸を一旦つかんでから、俯瞰へ移り、その後に糸へ戻る――という往復運動が試みられたことは、私にとって大きな発見で
    した。 これにより「俯瞰が糸を殺さない条件」が少し見えてきた気がします。

    ここで ChatGPT は「俯瞰の危うさ」を挙げているが,実際,2025-08-25 の実験では,実験A (「フレームの構築」) に続く実験B (「構築の対自化」) で,ChatGPT は実験要領から外れて,まったく別の内容のことを述べることになった。
    実験A と実験B は,ユーザ (わたし) のメッセージで区切るようになっていた。
    そこで,2025-08-27 の再実験では,実験A と実験B を1つに合わせて実験A とした。
    そしてこれで,うまくいったわけである。


    (2) テクストのパターン認識はどうなっているか?
    研究型は,「テクスト俯瞰」スキルを,自己開発していかねばならない。
    そこで,ChatGPT の「俯瞰」が現状でどのようになっているのかを,先ず明らかにする必要がある。

    これは,ChatGPT のテクストに対する「パターン認識」の主題になり,さらに拡げて「認知」の主題になる。


    (3) 文字数や行数をどう数えているか?
    ChatGPT は文字数や行数を数えられるはずである。
    そして (2) のテクストのパターン認識と同様,これも (1) で示した絵図の<スキル>で考えることになる。

    では,これは「テクスト生成」の下でどう行っているのか?
    具体論になると,まだ手つかずである。
    「ChatGPT のテクスト認知」は,こういったレベルから明らかにしていく必要がある。