Up | 必要品を和人に依存 | 作成: 2016-11-19 更新: 2018-12-06 |
「北海道の歴史」の歴史区分の中に,「アイヌ文化期」のことばが見える。 「アイヌ」とは,この「アイヌ文化期」の「アイヌ」のことである。 即ち,「アイヌ文化期を生きた者」が,「アイヌ」の意味である。
「系統」をいえば,「様々な系統」と表現することになる。 このアイヌの特徴の一つに,「衣食住が根底のところで和人依存」がある。
これがはじめての者は,どう見ても和製品だという品の陳列に,先ず違和感を覚えることになる。 実際,それらは和製品であり,アイヌ・オリジナルではない。 金属を使用している道具は,金属が移入 そこで,「アイヌ・オリジナルは?」となって,「アットゥシ attus」とか木製品の陳列に向かう。 しかし,アットゥシの「アイヌ模様」をつくっている綿布や糸は,和物である。 針も和物である。 木製品も,切ったり削ったりする道具において金属即ち和物が含まれている。 博物館の屋外には,アイヌの住居の復元が展示されているかもしれない。 それは,木と草でつくられている。 しかしこれも,工程を木や草の切り出しから考えれば,和物の介在がある。 「食」はどうか。 狩猟採集の道具に,金属などの和物が含まれている。 あるいは,道具の制作過程で,和物の介在がある。 また,米,酒,煙草は,和物である。 こうして,アイヌ・オリジナルとなるものは,結局存在しない。 「衣食住が根底のところで和人依存」は,「アイヌは和人無しではいられない存在」を意味する。 特に,「自然とともに生きる民」──この意味は, 「自然の中で自活する民」──のアイヌ像は,間違いである。 「自然の中で自活する民」は,アイヌより前の時代のものである。 強調するが,アイヌより前の時代の「自然の中で自活する民」は,アイヌではない。 このことは,第一に,"アイヌ" が証明してくれている。 "アイヌ" は,「これがアイヌだ」と彼らが定めるものをパフォーマンスしている。 その内容は,「アイヌ文化期」の内容である。 これより前の時代のものではない。
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