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典拠主義

作成: 2018-12-21 更新: 2018-12-21

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「アイヌ文化」は，推察されるのみである。 推察は，一次資料から下(くだ)る。 ──二次資料から下る推察は，無効である。 この場合の一次資料は，アイヌの生活の見聞録であって，かつ年代と見聞の場所がわかるものである。 遺物はいちばんの一次資料に思えるが，遺物そのものはこれがどのようにして生活の一部なのかを語ってくれない。 遺物は，あくまでも (1) 年代と，(2) それがどのなふうに生活の一部なのかがわかって，はじめて一次資料である。 かくして，一次資料の展開が，「アイヌ文化」を語る形──基本形──である。 典拠主義は芸が無いように感じられるが，アイヌ文化論はこれに即くのみである。