場所は,明治政府になって,廃止となる。
生活を場所に合わせてきたアイヌは,場所が無くなったら自給自足的漁猟採集生活に戻るかというと,そうはならない。
和人に依存した生き方をしていくようになる。
──<惰性>のダイナミクスとして,こうなる。
自給自足的漁猟採集生活をある程度保ってきたアイヌも,入植者が自分の領分の中に入ってくるようになり,そして土地所有・資源管理の規則が政府によって定められるようになると,その生活を続けられなくなる。
こうしてアイヌは,「同化」の生き方を選ぶしかなくなる。
そして政治が,この方向を固定・促進していくことになる:
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開拓使「旧土人賜物並禁目」, 1871-10-08
『開拓使事業報告附録 布令類衆 上編』, 1885, p.448,449.
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開拓致候土人へハ居家農具等被レ下候ニ付 是迄ノ如ク死亡ノ者コレ有候共 居家ヲ自焼シ他ニ転住等ノ儀堅可二相禁一事
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一 |
自今出生ノ女子 入墨等堅可レ禁事
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一 |
自今男子ハ 耳環ヲ著候儀 堅相禁シ 女子ハ暫ク御用捨相成候事
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一 |
言語ハ勿論文字モ 相学候様可二心懸一事
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開拓使「旧土人教化諭達」, 1876-09-30
『開拓使事業報告附録 布令類衆 上編』, 1885, p.449.
北海道旧土人 従来ノ風習ヲ洗除シ 教化ヲ興シ 漸次人タルノ道ニ入シメンカ為 辛未 [1871] 十月中告諭ノ趣モ有レ之
既ニ誘導ヲ加候処 未タ其風習ヲ固守候者有レ之哉ニ相聞
旨趣貫徹不レ致 不都合ノ次第候
元来誘導教化ハ開明日新ノ根軸ニ候処 今ニ右様陋習有レ之候テハ 往々智識ヲ開キ 物理ニ通シ 事務ヲ知ラシメ 均ク開明ノ民タラシムノ気力ヲ振作スルノ妨害ト相成 忽ニスヘカラサル儀候条
就中男子ノ耳環ヲ著ケ 出生ノ女子入墨致等堅不二相成一旨 父母タル者ハ勿論 夫々篤ク教諭ヲ尽シ 自今出生ノ者ハ尚更厳密検査ヲ遂ケ 此風俗ヲ改候様 予防方法相立 取締可レ致
而シテ自今万一違犯ノ者有レ之候ハ、不レ得レ已厳重ノ処分可レ及筈ニ付 時々詳細具状可レ致ハ勿論 予テ能此懲罰アルヲ戒置へシ
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