Up | 同族憎悪 : 要旨 | 作成: 2017-03-20 更新: 2017-03-20 |
同族は,彼らと連帯しようとする者ではないからである。 しかし,「同族解放」を唱える者は,自分を独り善がりだとは思わない。 実際,独り善がりとは思わないからこそ「同族解放」を唱えられるわけである。 「同族解放」を唱える者は,このキャンペーンに否定的な者・乗って来ない同族者に遭うと,この者を憎悪する。
この憎悪は,どんなタイプの憎悪か。 「敵を打倒」イデオロギーは,同調しない者を「利敵者」にする。 「利敵者」は,イコール「敵」である。 したがって,打倒すべき者である。 ただし,このときの「打倒」は,対象が同族の者であるから,「粛清」と呼ぶ。 「粛清」は,「敵を打倒」の意気の高さを競い,日和見と見られないよう互いにピリピリしたグループにおいて,現実のものになる。 1971年の連合赤軍山岳ベース事件──「総括」と称するリンチで29人のメンバー中12人を短期間に殺害──は,まさにこれであった。 この事件が特別なものでないことは,中国文化大革命のときの死者数 40万から1000万以上とか,ポル・ポト政権下の粛清の死者数 50万から300万とかが示す通りである。 |