Up 日和待合は酒盛で過ごす 作成: 2019-02-09
更新: 2019-02-09


      串原正峯 (1793), pp.508,509
    海鼠引に集りたる蝦夷とも、
    先ソウヤ濱邊に丸小屋をかけ、
    會所にて種々交易の品を前貸をし、
    おもに酒を借り、
    日和待合の内は丸小屋にて酒盛をなし踊り狂ふに、
    酒興に乗じ色々戯れをなすに、此へチリをはしめたり。
    此へチリといふはもとカラフト嶋の踊にて、西蝦夷地にてはシヤリ、ソウヤ、テシヲといふ。
    手を打懸聲して踊る。
    十人、十五人、乃至二十人男女交り順列して踊る。
    のびて踊り、縮て踊り、拍子有、間ありて面白き踊にて、興ある事なり。
    最初はくるり/\と輸に廻り、調子揃にしたがひ圖のことく廻りて踊るなり。
    上手なる蝦夷先鼻に立、夫に随ひ踊るなり。
      ヘチリ踊 踊り歩行く道筋の圖
      此輪の通りを幾度も廻りながら通るなり


    引用文献
    • 串原正峯 (1793) :『夷諺俗話』
      • 高倉新一郎編『日本庶民生活史料集成 第4巻 探検・紀行・地誌 北辺篇』, 三一書房, 1969. pp.485-520.