Up | 「強制」? : 要旨 | 作成: 2018-12-24 更新: 2019-02-01 |
「強制」は,「アイヌが自ずから行うことを,やらさせない」を含意する。 "アイヌ"イデオロギーの者および「アイヌ学者」は,つぎのように定めていることになる:
さて,これは本当か? 現代人に「漁猟採集か会社務めか」の選択をさせたら,会社務めを択ぶ。 会社務めは,いろいろ嫌なことがある。 それを知って会社務めを択ぶのは,漁猟採集がもっとたいへん (実際,現代人には不可能) であることを想うからである。 漁猟採集の営みがたいへんであることは,アイヌも同じである。 ひどく不安定であり,特に狩猟は個人差が大きく出る。 いろいろ嫌な・つらいことが運上屋務めにはあってもこれを択ぶのは,漁猟採集専らで生業を立てるよりずっとましなところが,運上屋務めにはあるからである。 実際,アイヌは,運上屋へ強制連行されたわけではない。 運上屋から逃げられないふうに管理されていたわけでもない。 上司と喧嘩して会社を辞める者は,アイヌにもいる:
但し,漁猟採集の営みの大事な時期と運上屋務めの期間がかち合い,漁猟採集を犠牲にするよう強いられるという意味の「強制」は,ある。 この強制に従う理由は,二つある。 一つは,今後の待遇が悪くなることの懼れ。 もう一つは,義理である。 「強制」は,力を要しない。 ひとは職場で嫌な仕事をいろいろ押しつけられるが,力で押しつけられるわけではない。 一般に,<強制>を実現する方法は,《中間職の階層の上から下へ<部下にノルマを課す>を降ろす》である。 ──部下は,上司の板挟みの立場を慮って,ノルマを果たしてやろうとする。これが順々に下まで降りていく。 結果として,<強制>が成る。 運上屋の人足集めは,役土人に依頼すればよい。 役土人という中間職階層システムが,<強制>を果たしてくれるのである。
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