Up | アイヌ就労者供出の役を,役土人が務める | 作成: 2018-12-28 更新: 2018-12-28 |
ひとの嫌がる仕事は,募集の方法では就労者を得られない。 ひとの嫌がる仕事は,<強制>の方法で人を集めるのみである。 場所の人集めは,役土人にアイヌ就労者の供出を頼むという方法で行う。 これにより,<強制>が成る。 一般に,<強制>を実現する方法は,《中間職の階層の上から下へ<部下にノルマを課す>を降ろす》である。 部下は,上司の板挟みの境遇を慮ばかる。 そして上司からの頼みに対し「一肌脱ごう」となる。 これが順々に下まで降りていく。 かくして,<強制>が成る。 <強制>は,悪者の所業ではない。 <強制>のシステムの中に,悪者の存在は必要ない。 <強制>は,善人ばかりでも成る。 それどころか,みなが善人でなければ<強制>は成らない。 上司と部下は,親密な人間関係をつくることになる。 したがって,相手の頼みを無下にすることはできない。 この関係性が,<強制>システムに転じるのである。 場所請負人と (総乙名を筆頭とする) 役土人の関係は,《相手の頼みを無下にすることはできない》である。 役土人 (総乙名・総小使・脇乙名・乙名・小使) の間の上司・部下関係も,これである。 そして,小使アイヌと配下のアイヌの関係も,もちろんこれである。 ちなみに,オムシャは,場所請負人と役土人の《相手の頼みを無下にすることはできない》関係の構築・強化に効いている。
|