Up | 「搾取」 | 作成: 2017-02-05 更新: 2018-12-16 |
アイヌ学者による「アイヌ搾取」の言い方は,だいたいが上のようである。 また,「あらゆる欺満と悔蔑による不等価交換によって搾取され」の言い回しは,時代背景を斟酌してやる必要がある。 その時代は「アンガージュマン」を唱えることが流行りであり,学者は,学術をする者ではなく,イデオロギーをする者になった。 学術は,「搾取」を機能的に論じてナンボである。 1万円で手に入れた絵を百万円で売る。 これについて,「不等価交換」とか「欺満・悔蔑」のことばを使ったら,それは経済学の無知を曝すだけである。 ──《1万円で手に入れた絵を百万円で売る》は,このときの面相が悪人面であろうと善人面であろうと,関係ない。 心根が悪かろうと善かろうと,関係ない。 商品経済とは,こういうことをするものである。 商品経済は,労働力に対しても,このやり方を用いる。 これを,経済用語で「搾取」という。 「巧みな営業戦術」は,「あらゆる欺満と悔蔑」と区別がつかない。 商品経済は,「欺満と悔蔑」も営業戦術に含めるものである。 そしてこれは,良い悪いの話ではない。 単にこれが商品経済だということである。
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