以下,中村元『密教経典・他』より:
- 「金光明経」:「スヴァルナプラパーサ・スートラ Suvarṇa-prabhāsa Sūtra」
- 出現は,4世紀頃 (グプタ王朝期)
- 漢訳
- 呪術性のゆえに、中国・日本においては盛んに遵奉された。
- 国王政治論
- 「正論品第十一」
- 《ブッダが教えたような正しい道理に従って国王が国を統治するならば、ヒンドゥー教や一般民間信仰で認めているような神々が、その国王または国土を守護する》
- 弁才天
- 第八章「弁才天神」
- 「弁才天」: 古代インドの女神サラスヴァティーが仏教にとり入れられたもの
- 「『金光明経』は、真言密教以前の経典ですが、この女神の崇拝は仏教の金剛乗 ( vajrayana 真言密教) によって採用され、最後には日本に導き入れられて、民間信仰における神となり、「弁天」「弁才天」という名で拝まれ、弁舌および財富の神となりました。‥‥やがて日本では七福神のうちにとり入れられていきます。‥‥後世の日本では,なまって「弁財天」と書かれるようになりました。」(中村元『密教経典・他』, p.54.)
- 参考Webサイト
- 参考文献
- 中村元[著]『密教経典・他』(現代語訳大乗仏典 6), 東京書籍, 2004.
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