Up 「地球異変」錯覚の構造 : 要旨 作成: 2018-09-11
更新: 2018-09-11


    車窓の外は,物が走っている。
    実際は,それらが走っているのではなく,自分が乗っている電車が走っている。

    「地球異変」は,錯覚である。
    急速に経済成長する社会は,自然現象の影響が変わることになる。


    急速に経済成長する社会は,個人が資産を大きくする社会である。
    資産が壊れるときの損失は,資産が小さければ小さく,資産が大きければ大きい。
    資産損失は連鎖する。連鎖の規模は,資産が小さければ小さく,資産が大きければ大きい。
    壊れる資産は凶器になる。その危険度は,資産が小さければ小さく,資産が大きければ大きい。
    こうして,急速に経済成長する社会は,被害が大きくなる社会である。


    急速に経済成長する社会は,ひとが夜郎自大になって,自然現象を舐めてかかる社会である。
    堤防を信用し,道路を信用し,家を信用し,車を信用する。
    そして,被災する。

    台風報道では,風で傘を裏返し壊してしまう者の映像が定番である。
    強風に対しわざわざ傘をさす──ひとの<自然現象を舐めてかかる>の(てい)は,まさにこれである。