読売新聞, 2023-07-02
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今年夏、世界を襲った史上まれに見る猛暑は、「地球沸騰化時代」の到来を予感させた。
30日開幕の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28) を前に、温暖化が人々の暮らしを脅かす現場や、世界の対策の現状をリポートする。
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世界の最貧困の一つ、ソマリアが位置する「アフリカの角」と呼ばれる一帯は、6年連続で雨期に雨がほとんど降らず、ここ40年で最悪の大干ばつに襲われた。
畑の作物は枯れ、家畜のヤギや牛は次々に死に至る。
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気候難民──。近年、洪水や干ばつなど、温暖化による異常気象で住む場所を追われる人たちをこう呼ぶようになった。
国内避難民監視センターによると、気候変動が原因の国内避難民は2021年、2230万人に上り、紛争による国内避難民1440万人を大きく上回った。
世界銀行は、50年までに2億1600万人が移住を迫られると推計する。
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「地球温暖化」のことばではもうインパクトが弱いと見て,「地球沸騰化」が使われ出した。
いったいどこに「沸騰」がある?
気候に「異常」は存在しない。
読売新聞がやっきになって「異常」にしようとするものは,気候のうちである。
そしてソマリアの話は,読売新聞がやっきになってキャンペーンしている「地球温暖化」の話ではない。
それは「サバク化」の話である。
そのサバク化は,いまに始まったことではない。
「アフリカの角」は,隣のアラビア半島と同じサバク地帯である。
読売新聞は「大干ばつ」で読者を煽ろうとしているが,サバクと不毛はセットである。
ひとは,サバクに植物を植え水やりをすれば,植物が育つと思っている。
サバクと乾いた土の区別が無いのである。
火山灰に植物を植え水やりしても,植物は育たない。
サバクは,この火山灰と同じである。
水やりで育たないのは,どうしてか?
そこには植物が育つための養分が無いからである。
地面の下はずっと土なのではない。
実際,土の層は浅い。
土は,岩が砕けたものではない。
土は,生物がつくったものである。
即ち,生物の分泌物・排泄物・遺骸が土をつくっている。
植物を土に植えると,植物はそれを養分にして育つ。
サバクは,それが砂のサバク──砂漠──であれば,風で拡がる。
サバクが拡がることは,不毛が拡がるということである。
不毛の地になることは,人がそこから追われるということである。
即ち,難民になるということである。
約めて言えば,風が吹く度に難民が発生する。
北アフリカ,アラビア半島のサバクは,そういうところである。
それは,難民を発生させながら拡大している。
「アフリカの角」は,じきにすっかりサバクになり,ひとのいないところになる。
砂でないサバクも,拡大する。
ただしこの場合は,サバクを拡大させるものは主に雨である。
雨が土を流してしまう。
土を留めるものは植物なのだが,それが希少なので,雨で土が流れてしまうのである。
上に述べたように,植物は土で育つ。
土が流されることは,不毛の地になることである。
こうしてサバクは拡大する。
しかし,世論をリードしているのは,政治家と御用学者とマスコミ。
彼らは,「サバク化は,二酸化炭素排出がこれの元凶」を唱える。
そしてそれを大合唱する舞台が,COP というわけである。
あなたはいま,定めしこう思っただろう──「学者は,御用学者だけではなかろう。彼らはいったいどうなっているのか?」
答えは,「彼らは黙りを決め込んでいる」である。
自分に損になることをしないのは,学者も同じである。
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