Up サハラ砂漠 : 地勢 作成: 2024-05-03
更新: 2024-05-03


      平凡社『改訂新版 世界大百科事典』「サハラ砂漠」
     サハラ砂漠は平均して標高300mの台地から成るが,海面より低いジャリード塩湖 Shaṭṭ al-Jarīd や標高 3400m のティベスティ山地もある。
    基盤岩は古い先カンブリア紀の結晶質岩で,それを若い時代の堆積物が覆っている。
    白亜紀にはサハラは沈水していたので,この時代の石灰岩,砂岩が広く分布している。
    サハラの代表的自然景観として砂(すな)砂漠,台地砂漠,山岳砂漠の三つがある。
    砂砂漠は細砂が風により盆地などの低地に集まり,エルグ erg とよぶ砂丘列を形成しているもので,東部大砂丘,西部大砂丘などがある。
    エルグは砂漠の典型のように思われているが,サハラでは総面積の14%を占めるにすぎない。
    最も広い面積をもつのはタデマイト高原のような台地砂漠である。
    台地の表面は岩盤が露出して岩石砂漠になるか,岩盤上に固い砂礫層がのる平たんな礫(れき)砂漠(レグreg)になっており,自動車が高速で走行できる。
    山岳砂漠はアハガル山地,ティベスティ山地,アイル山地など,火山性の山地が代表例で,他の場所より降雨がやや多く,気温の日較差,年較差ともに大きい。
    そのため風化,浸食が激しく,タッシリ Tassili のような奇怪な山容を見せる。
    オアシスは,水の得られる山麓,台地の縁辺,盆地の周辺,ワジ(ワーディー)などに発達する。


Google Map から引用:


Wikipedia「サハラ砂漠」から引用: