Up アフリカの土壌 作成: 2024-07-02
更新: 2024-07-02


    以下,小崎隆「アフリカの土壌の特徴」から部分引用。

  • 土を決めている生成因子:
    1. 母材
        元々は岩であったり、岩が風化して積み重なって生成される堆積物が材料になるもの
    2. 地形
        斜面、平面、そして凸斜面と色々なものがある。
        また高地部、台地部、平地部、などの大きな地形の違いがあり、これらも影響している。
    3. 雨の降り方や温度などを含む気温
    4. 植生や動物などの生物
    5. 時間
        時間の長短により土地のできが異なってくる。
    6. 人間
        生物が土壌に及ぼす影響と人間のそれとでは大きな違いがある。


  • アフリカの地勢
    雨が降ると、山が侵食され、土壌が流れていくのであるが、高い山が無いと土壌の供給源がないことになる。
    アフリカの地形は急峻なものではなく、だいたい侵食されて平原になっているところが多い。‥‥‥


  • 土壌の種類と性質
      以下,FAOが中心となって作成したWorld Reference Base (WRB)による分類

    • 赤道アフリカから西アフリカにかけての土壌
      • フェラールソル(Ferralsols)
          鉄が集積してできた土壌
          鉄が酸化鉄になり、赤土を形成
          塩基成分が抜けているため、酸性
          風化が進んだことで,カオリンというタイプの粘土質になっている
          養分を吸着させる性質が低く、肥料を与えてもすぐに流れてしまう。
          元来養分が少なく、養分を与えたとしても閉じ込めておく能力が低いことが特徴
          しかしフェラールソルが多い地域は,熱帯雨林
          森林が生成するのは、土の上の有機物層で養分を循環しているため
          木を切り倒してしまうと循環が壊れてしまい、植林再生が難しくなる。
      • アクリソル(Acrisol)
          フェラールソルよりも風化度が弱い──鉄酸化物が少ない。
          鉄酸化物が少ない分,粘土 (カオリンが主体) の量が多い。
          特に表層と比べて下層部に粘土が溜まっていて,その分,養分を吸着する能力が高い
      • アレノソル(Arenosols)
          砂質土壌──粘土が非常に少ない

    • サハラ砂漠の土壌
        サハラ砂漠で灌漑することは,土壌を塩類化すること
        ──水が塩を溶かしながら地表に上る。,
        (翻って,水が地表に吸い上げられないことが,灌漑の必要条件。)

    • 東アフリカの土壌
      • アンドソル(Andosols)
          火山噴火物から成る土の一種
      • ニティソル(Nitisols)
          非常に良い土
          塩基に富む母材で、風化も弱く、新鮮──比較的黒っぽく,やわらかく、団粒が発達,
      • バーティソル(Vertisols)
          雨季と乾季での体積の差が大きい
          乾季になっても水持ちが良い
          化学性は非常に良い

    • その他の土壌
      • グレイソル(Gleysols)
      • プラノソル(Planosols)
      • カルシソル(Calcisols)
      • ヤーモソル
      • リキシソル(Lixisols)
      • プリントソル(Plinthosols)
      • フルビソル(Fluvisols)