以下,小崎隆「アフリカの土壌の特徴」から部分引用。
- 土を決めている生成因子:
- 母材
元々は岩であったり、岩が風化して積み重なって生成される堆積物が材料になるもの
- 地形
斜面、平面、そして凸斜面と色々なものがある。
また高地部、台地部、平地部、などの大きな地形の違いがあり、これらも影響している。
- 雨の降り方や温度などを含む気温
- 植生や動物などの生物
- 時間
- 人間
生物が土壌に及ぼす影響と人間のそれとでは大きな違いがある。
- アフリカの地勢
雨が降ると、山が侵食され、土壌が流れていくのであるが、高い山が無いと土壌の供給源がないことになる。
アフリカの地形は急峻なものではなく、だいたい侵食されて平原になっているところが多い。‥‥‥
- 土壌の種類と性質
以下,FAOが中心となって作成したWorld Reference Base (WRB)による分類
- 赤道アフリカから西アフリカにかけての土壌
- フェラールソル(Ferralsols)
鉄が集積してできた土壌
鉄が酸化鉄になり、赤土を形成
塩基成分が抜けているため、酸性
風化が進んだことで,カオリンというタイプの粘土質になっている
養分を吸着させる性質が低く、肥料を与えてもすぐに流れてしまう。
元来養分が少なく、養分を与えたとしても閉じ込めておく能力が低いことが特徴
しかしフェラールソルが多い地域は,熱帯雨林
森林が生成するのは、土の上の有機物層で養分を循環しているため
木を切り倒してしまうと循環が壊れてしまい、植林再生が難しくなる。
- アクリソル(Acrisol)
フェラールソルよりも風化度が弱い──鉄酸化物が少ない。
鉄酸化物が少ない分,粘土 (カオリンが主体) の量が多い。
特に表層と比べて下層部に粘土が溜まっていて,その分,養分を吸着する能力が高い
- アレノソル(Arenosols)
- サハラ砂漠の土壌
サハラ砂漠で灌漑することは,土壌を塩類化すること
──水が塩を溶かしながら地表に上る。,
(翻って,水が地表に吸い上げられないことが,灌漑の必要条件。)
- 東アフリカの土壌
- アンドソル(Andosols)
- ニティソル(Nitisols)
非常に良い土
塩基に富む母材で、風化も弱く、新鮮──比較的黒っぽく,やわらかく、団粒が発達,
- バーティソル(Vertisols)
雨季と乾季での体積の差が大きい
乾季になっても水持ちが良い
化学性は非常に良い
- その他の土壌
- グレイソル(Gleysols)
- プラノソル(Planosols)
- カルシソル(Calcisols)
- ヤーモソル
- リキシソル(Lixisols)
- プリントソル(Plinthosols)
- フルビソル(Fluvisols)
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