Up 「避難生活」: 要旨 作成: 2016-04-22
更新: 2016-04-22


    被災者は,独りの行動が許されない。
    実際,被災者は,独りの行動を自ら封じる者になる。

    「生存不明者」の存在は,捜索作業 (「救助作業」) の発動を意味する。
    捜索は,人海戦術のとてつもなくたいへんな仕事になる。貴重な人手がこれに割かれることになる。 そこで,災害への緊急対応は「点呼」から始まる。
    被災者は,「生存不明者」に見なされない行動をしなければならない。
    こうして「避難所」への集合となる。

    「避難所」は,「点呼所」がこれの第一義である。
    実際,「避難所」へ行くことが避難を意味しなくても,被災者は「避難所」へ行くことが求められる。

    「避難所」に集合し生存を確認された者は,新たな災害発生で「生存不明者」にならない行動をしなければならない。
    それは,「避難所」でおとなしくしているということである。
    実際,「避難所」は,点呼の場であるとともに,物の配給の場,指示を受ける場であるから,一旦「避難所」に入った者は,そのまま留まる者になる。

    こうして,「避難所」は「収容所」の色合いを濃くしていく。
    「被災者」は「収容生活を耐える者」の色合いを濃くしていく。

    「避難生活」とは, 「収容生活」のことである。