Up 無難 : 要旨 作成: 2016-03-25
更新: 2016-03-25


    TV報道は,番組づくりである。
    番組づくりは,番組づくりのための番組づくりになる。

    番組は,無難な内容になる。
    ひとは様々であるから,どんな内容も賛否両論になる。
    そこで番組は,苦情をかわせる内容につくられる。
    これは,無難な内容になるということである。

    番組づくりをする者は,「一般的な人のものの考え方・気分」を想定して,これに合ったストーリーをつくろうとする。
    しかしものの考え方・気分は人によって千差万別であるから,これは「共通項」のようなものを探る作業になる。
    こうして,番組は類型的・お定まりの内容になる。

    番組づくりは,《ほどほどの視聴率を得る》という制約がある。
    番組づくりをする者は,おもしろい番組をつくろうとする。
    これは,<普通>を除外することになる。

    取材対象は,以上の番組の方針に添うものが選ばれる。
    番組の方針に添わないものは,端から取材の対象にならない。
    これは,無難で,お定まりで,普通でないものが取材対象にされるということである。
    取材は,「偏向取材」である。


    番組づくりは,番組の時間幅という制約がある。
    そこで自ずと,《一定の時間枠に何を詰め込むか》の作業になる。
    番組づくりでは,このためのアイテムが各種備えられている。
    その一つが,「専門家」である。

    「専門家」には,番組の無難・お定まりを逸脱してもらっては困る。
    そこで,安心して用いられる「専門家」を慎重に選ぶことになる。
    これは,番組の御用専門家がつくられていくということである。