Up | 赤字/造金財政の破綻の形 : 要旨 | 作成: 2022-05-20 更新: 2022-05-20 |
ここで「財務省発表」と謂っているのは,財務省のつぎの Webページ:
マスコミが「国の借金」と謂っているのは,「国債及び借入金現在高」である。 しかしこれは,「借金」ではない。 国が借金を払う方法は,《金を造って払う》だからである。 造った金の額は,「中央銀行保有の国債」として計上する。 この方法で,国は金を<いつでも・いくらでも>造ることができる。 よって,国に借金は存在しないのである。
返済するということがあり得ない「1241兆円」を「借金」と称することは,そもそもが「借金」の語の誤用なのである。 ちなみに,「国債等」(国債・財投債+国庫短期証券) の保有者の内訳は,2021年12月末で,つぎのようになっている:
しかし,こんな虫のいいやり方が本当に通用するのか? 何かバチがあたるということは無いのか? 財政が一国で閉じているものなら,このやり方はまあまあ通用する。 通貨価値が下がり物価の上昇になるが,この調整は穏便なものになるからである。 しかし,国の財政はグローバルである。 造金財政は,「金利ゼロ」が金融政策になる。 そうすると,アメリカが金利を挙げる政策をとれば,円安になる。 円安になるとどうなるか? 輸入物価の上昇に連動して,国内で物価が上昇する。 円安は,何かのきっかけでスパイラルに進行するというものである。 通貨取引を含む仕事をしている者は,円を持たされることが不利になるからである。 そして,円安がスパイラルに進行するということは,国内物価上昇が止まらないということである。 このタイプの物価上昇に対する政府の対応は,どんなものになるか?。 政府の財政は赤字/造金財政であるから,金を造って個人・企業に給付する────困窮手当として個人に,協力手当として企業に,それぞれ給付する──というものになる。 問題は,この<金のバラマキ>がさらなる円安の契機になるかどうかである。 このあたりは,まだ不明である。 観察すべし。 |