Up 国の「盛者必衰」構造 作成: 2024-11-09
更新: 2024-11-09


    「成長」路線の国は,「金持ち」が人の目標になる。
    実際,国の「成長」の原動力は,国民の「金持ち」志向である。

    「金持ち」とは:
     「 金がたくさんあるので,好きな物が買える・好きな事ができる」
    したがって,国が「成長」路線であり,国民が「金持ち」志向になるとは,自分をつぎのように定める者が増えていくということである:
      1次産業 (原材料生産) は,自分ではない他の誰かが就く。
       自分は,その産品を買う。


    その国は,人材が商業・サービス業・高次産業へ流れ,1次産業に就こうとする者が減る。
    ひとはこの流れをよしとするために,「付加価値」のことばをつくる:
      1次産品は輸入し,自国は付加価値製品を輸出すればよい
    しかしこれは,自分で自分を騙す呪文といったものである。
    実際,この流れは,国がダメになる流れである。

    他国は,いつも自国に都合のいいようにあるわけではない。
    やがて,つぎのことが起こる:
      「輸入品がこれまでのように輸入できない
       輸出品がこれまでのように輸出できない」
    そしてそのとき,国の失われた1次産業は,取り戻せない。
    生産の技能も,ひとが「1次産業は自分ではない他の誰かが就く;自分はその産品を買う」になっている間に,失われている。
    ──進化は不可逆!


    要点:富裕は滅びと表裏 ──富裕を求めて進む道は,滅びの道,

    しかもいまの時代は,この滅びが高速になる。
    高速にするものは,グローバリズム,インターネット,AI。

    グローバリズムは,自国の1次産業が安い輸入品に負けるということ。 ──よって,自ずと無くなっていくということ。

    インターネットは,グローバリズムのインフラであり,そして人を<キラキラして見えるもの>に誘導する。
    都会はキラキラして見えるので,ひとはこれに流れる。
    職業でいえば,1次産業ではなく,商業・サービス業・高次産業に流れる。

    AI は,人の技能を学習する。
    そしてこれを頭脳にしたロボットが,これまで人がやってきた作業にあたる。
    ひとは自分の体を使う作業から離れる一方となる。
    そしてこれは,ひとが技能を失うということである。