Up | 不況 | 作成: 2014-10-09 更新: 2015-03-16 |
セイタカアワダチソウは,他の植物の<生きる>を妨げる物質を土中に分泌する。 こうして,<生きる>を自分たちで独占する。 しかし,このやり方は,自分の大地に毒を撒く行為になる。 セイタカアワダチソウは,自家中毒していく格好で,衰退する。 「ナウシカ」の喩えでは,毒を撒かれた大地には「腐海」が現れ,大地浄化の長い長ーいプロセスが始まる。 しかしひとは,腐海を毒の発生元と見て,焼き払おうとする。 ナウシカは,「腐海のできたわけ」を考える。 そして,これを知る。 そして,腐海を焼き払うという行為が自家撞着であることを,人に説いていく。 「不況」は,生産拡大の螺旋運動に嵌まった経済が,自分のまき散らした毒に自家中毒する様であり,同時に,毒の浄化のプロセスの始まりである。 「不況」は「腐海」である。 これを退治しようとすることは,生産拡大の螺旋運動に邁進しようとすることであり,毒のまき散らしに邁進しようとすることである。 アダム・スミスのいう「神の見えざる手」は,「不況」を含むずっと大きな系で考えるものである。 ひとは「不況」を悪いことにしてこれの退治を考えるのがふつうであるが(註),それは「腐海を焼き払う」の自家撞着になる。
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