Up | 主食米の経済 : はじめに | 作成: 2024-09-06 更新: 2024-09-07 |
ひとは,新聞の言うことは鵜呑みにする。 ひとはこの記事を読んで,いまの米不足を「猛暑で供給減・訪日客増で需要増が理由なんだ」と納得する。 ひとは,簡単に騙される。 いまの米不足は,構造的なものである。 主食米は,収穫量が減少の一途になっている。 収穫量が減少の一途なのは,作付面積が減少の一途だからである。 作付面積・収穫量が減少の一途なら,米不足が来るに決まっている。
なぜこのあたりまえの理を,「猛暑で供給減・訪日客増で需要増」などとごまかすのか? あたりまえの理が不都合になる者は,こういう姑息なごまかしをしたくなるのである。 ひとは米不足に際すると,自分を「農政 (ノー政) に翻弄される被害者」にする。 作付面積の減少は,農政がこれを進めているからである。 しかしその理由は,米余りである。 農政にしても,「身勝手な国民に翻弄される被害者」なのである。 主食米は,余る一方で不足するというものである。 これは,主食米の論理──即ち,主食米の経済──の含意である。 誰か・どこかに問題があるという話にはならない。 本論考は,これを見ていく。 |