Up 交付金で誘導──アメとムチ 作成: 2024-09-16
更新: 2024-09-16


    自由主義の国は,政策を実現する方法として,「強制」は許されない。
    政策を実現する方法は,「誘導」である。
    「誘導」の中身は,アメとムチ。

    米政策のアメとムチは,「金を与える」と「与えない」である。
    政治は, 「人は金で操作できる」を立場にする:
      「 人は,金をもらえることをしようとする。
    他の者が金をもらえて自分がもらえないと,金をもらえる側に変わろうとする。」


    この金は,「交付金」ということばで括られる。
    金の交付は,政策の思惑から,色々な表現が用いられる──支援,助成,補助,補償,補填,給付,支払,還付,等々。
    交付金が乱立する状態になり,政策はひじょうに見通しの悪いものになる。

    乱立状態になるのは,好意的に見れば,立案担当者の生真面目さに因る。
    抜け落ちさがしを,互いに競ってしまうのである。


    米政策は,規制と規制緩和の間を行ったり来たりする。
    そしてこの逆転は,アメとムチの逆転である。
    アメとムチの逆転に,ひとはあっけにとられる。
    農政が「猫の目農政」と揶揄されてきた所以である。

    しかしこの「猫の目農政」は,真面目がもとなので,どうしようもない
    政治の要諦は中庸だが,これは難しい。
    そしてこの世では,中庸は「不真面目だ!」と攻撃されるのみ。
    この世の「真面目」は「改革」(方向の逆転) なので,政治の「猫の目」は定めなのである。