Up 勉学軽視の時流 作成: 2008-05-10
更新: 2008-05-10


    国立大学の「法人化」は,国の「改革」路線の上にある。
    国立大学の学生は,「改革」の時代に生きる学生である。

    「改革」の時代に生きる形は,ベンチャー。
    ビジネス機会を巧みに見つけてビジネスを興し,金儲けに成功する。 大事なのは「器用・才覚」である。

    この時代には,「地道に修行し,十年単位で成長を果たしていく」というのは,はやらない。 企業も,月単位の短期で結果を出していけるのがよい企業で,そうでないのは「足腰の重い」「遅れた」企業ということにされてしまう。


    そして,「改革」の時代は,勉学軽視の時代である。

    勉学は,結果が短期に収穫されるもの,制度変更や競争主義・成果主義の導入で一挙に改善されるもの,として扱われる。
    「上手に設計された授業で要領よく学習され,うまくシェークしてさまざまなリアルな問題解決に使える」というのが,「改革」の時代の「学」のイメージ。
    ──「少年老い易く学成り難し」でいう「学」ではない。 (こちらの「学」は,「机上の学」として軽蔑されるものになる。)