Up 要 旨 作成: 2008-09-22
更新: 2008-09-30


    「よい○○」は,ことばで定義することはできない。

      「操作的定義」の形で無理に定義を求めるならば,「一定型に収斂」(「定石」)。

    しかし,ことばで定義できないことは,それが空虚な概念であることではない。
    実際,「よい○○」は,Wittgenshtein の謂う「言語ゲーム」の意味で,現実的である。

      「よい○○」と「売れる○○」の対立図式は,「うまい○○」と「売れる○○」の対立図式と同じ。 「うまい」を言えるなら「よい」も言える,「うまい」が言えないなら,「よい」も言えない。


    現実的な「よい○○」に対し,理念としての「よい○○」もある。
    これについても,ここで軽く押さえておく。

    「必然/一意決定的造形」(論理/ルール的必然,機能的必然)の意味では,「デザイン」の語は使わない。 すなわち,不確定性は,「デザイン」のことばを使うときの要件の一つである。 ──「これも一局」が,デザインの作法。
      例:将棋の序盤

    そこで,「現れている○○=売れる○○」から反照的に,「隠されている/実現されていない○○」としての「よい○○」が理念として持たれてくる。

      例1 : 売れる教育 → よい教育
      売れる鋏 → よい鋏
       2 : 「ユニバーサル・デザイン」は,「ユニバーサル」の論理的含意として,「よい○○」のデザインということになる。