Up 組織と個人の関係 作成: 2008-09-18
更新: 2008-09-18


    自由主義の<組織>モデルは,雑駁なものである。
    実際,自由主義の考え方は
      「多様な個の自由の解発(release)が,
       組織全体を一つの知的生命体にする」
    というものであるが,これでは「個人のどんな行為も,組織の知の実現に与っている」というところまで行ってしまう。

    一方,この雑駁さは本質的なものであって,精緻にしていけるというものではない。

    <組織の知の実現>は,個人の知り得るところではなく,実際においても,個人の関知するところではない。
    個人は,ただ,自分のために行動する。
    この世に現れることにおいて,個人は一回性。この一回性たる個人は,自分のために行動するのが当然となる。

    ただしこのとき,自分の<自分のため>が他の個人・集団の<自分のため>と衝突するということが起こる。 そしてこの問題は,自由主義の<組織>モデルの埒外となる。