Up <変化>を当為にする,<差異>で商売する 作成: 2008-08-21
更新: 2008-08-21


    「イノベーション/改革」は,つぎのものが複合した現象である:
      1. <差異>で商売する
      2. <変化>を当為にする
      3. 「イノベーション/改革」を当為にする集団心理

    A. <差異>で商売する

    商売は,<差異>で商売する:
    • 安く買えるところで買って,高く売れるところで売る。
    • 生産にかかったコストより,高く売る。
    • 既存の価格体系にはまらないものをつくって,好きな値段で売る。
    • 消費者に「変化」を煽動して,新商品に乗り換えさせる。
    • 「変化」を煽動する言論活動で商売する。


    B. <変化>を当為にする

    ひとは,日常・安定に飽きる。
    自分に劣等感をもつ。
    「勝ち組」に対する格差感・羨望の念にとらわれる。
    「つねに変化しなければならない」「スピード感」「生き残り」「時代遅れ」「流行の先端」といったことばに弱い。
    この結果が,<変化>を当為にする精神構造。


    C.「イノベーション/改革」を当為にする集団心理

    「イノベーション/改革」は,よい意味のことばである。
    よって,<変化>を「イノベーション/改革」と呼ぶとき,それは当為になる。
    「イノベーション/改革」を当為とする心理は,集団心理になる。
    マスコミがこの集団心理醸成の中心になり,社会全体が無批判的に「イノベーション/改革」を当為にするようになる。