Up | 猫の目行政──その理由 | 作成: 2008-03-08 更新: 2008-03-08 |
これは,批判してもしようがない。 行政は猫の目行政だと割り切って,上手に対応することが肝心である。 特に,敏感・過剰に反応することは,厳禁である。 行政は,なぜ猫の目行政になるか? 問題を,根柢的に考えることをしないからである。 すなわち,「問題を構造化し,主と従の関係を特定する」という科学の方法論を持たないからである。 行政は,問題の<現象>を,問題そのものと定める。 この現象を消すこと (すなわち,消しゴムづりく) を,問題解決と定める。 現象には,それのもとになるものがある。これを,「問題の本質」という。 本質には手をつけずただ現象を消そうとしても,それは問題を余計複雑にしてしまうだけになる。 行政は,つねにこれをやる。 当然失敗し,またつぎの「問題解決」を打ち出す。 これが「猫の目行政」である。 行政は,「問題を根柢的に考える」という方法 (科学・哲学の方法) をとらない/とれないために,「猫の目行政」になる。 これは端的に,「行政と科学・哲学は,相性が悪い」という問題である。 実際,「問題を根柢的に考える」という方法をとれないのは,国の政治に限ったことではない。 「法人化」の国立大学が,よい例である。 科学・哲学を十八番とする国立大学でも,行政は科学・哲学と別物である。 会議にもし科学・哲学が入ってくれば,空気は一気に白けてしまうだろう。 |