Up 「モンスター」の基準:自足性 作成: 2008-03-03
更新: 2008-03-03


    「社会成員として問題のある者」がそのまま「モンスター」なのではない。
    「モンスター」の基準 (criteria) は何か?と問うとき,「自足」が挙げられる。

    たとえば,「子ども」であること自体は「モンスター」ではないが,「子どものまんま」は「モンスター」である。

      「子ども」とは,<いま・ここ>にいて外界への拡がりが貧しい者のことを謂う。
      「子どものまんま」とは,<いま・ここ>にいて外界へ拡がる契機 (モーメント) を内に持たない者のことを謂う。
      「子ども」が能力を指すことばであるのに対し,「子どものまんま」は傾向性を指す。

    「子ども」に対しては教育が成り立つ。
    「子どものまんま」に対しては,教育は通常の形では成り立たない。


    モンスターの「自足」には,つぎの二通りがある:
    1. 「これは問題である」という意識がもたれない。
    2. 「問題であっても構わない (自分はこれに対策しない)」を通す。

    どちらがより重症ということは言えない。
    A, B それぞれに,異なる難しさ (対応の難しさ,治療・教育の難しさ) がある。