1.4 個の多様性
「数学学習をおもしろいものにする」は,「学習者全員がおもしろく思うものの提供」ではあり得ません。
「学習者全員がおもしろく思うもの」は,個の多様性の理由から,あり得ないし,またあったら恐ろしいでしょう。
ある者は緻密な推論を好み/嫌い,ある者は機知を要求されるゲームを好む/嫌う。あるものは,ビジュアルな表現を好み/嫌い,ある者は簡潔なテクストを好む/嫌う。どれが正しいというものではありません。どれもあるべきです。しかし,学習材のデザインにおいて,これらすべてを盛り込もうなどと思ってはなりません。全員の嗜好を盛り込んだものは,人の食べ物でなくなります。