Up 新種評価のジレンマ:子どもの<無垢>と<野蛮> 作成: 2006-11-08
更新: 2006-11-08


    子どもにおいて,「純真」と「野蛮・下劣」は同じ意味である。
    子どもを「純真」な存在として持ち上げようとする者は,すぐに彼らの「野蛮・下劣」に裏切られる。

    「子ども」とは,大人のカテゴリーに関してノンカテゴリーな存在の謂い。
    このノンカテゴリーが,純真に見えたり野蛮・下劣に見えたりする。 また,天才に見えたり愚鈍に見えたりする。

      「未開社会」のイメージに「素朴」と「野蛮」の両方が立つことも,これと同じ。 「未開社会」とは,われわれの社会のカテゴリーに関してノンカテゴリーな存在の謂いである。


    そこで,教員の生徒に対するスタンスは,つぎのように言うことができる:
        生徒を殺さず,生徒に殺されず

    実際,教員は「生徒を殺さない」方策と「生徒に殺されない」方策の両方を組み合わせて (バランスをとって),「教師」という仕事をやっている。──そしてここには自ずと,上手い下手がある。

      註:「教師に絶対服従の生徒たち」は,教員が生徒を「殺す」例。
        「学級崩壊」は,教員が生徒に「殺される」例。

    さらに,「いじめ」の問題が示すように,教員の仕事には
        生徒に生徒を殺させず
    も含まれてくる。