Up 創造は結果 作成: 2007-04-03
更新: 2007-04-03


    ノンカテゴリカルな存在に関して「創造」を考えるのは,無意味である。 「創造」は,カテゴリーを身につけた者──すなわち,オトナ──の場合に意味をもつ。

    つぎに,「創造」は「これまでに無かったものの実現」とイコールではない。 「これまでに無かったものの実現」には,それの意味が問われる。
    そして,意味あるものにするのは,カテゴリー行為 (論理的行為/計算) である。

    よって,「これまでに無かったものの実現」は,「これまでに無かったカテゴリー行為 (論理的行為/計算)」の結果ということになる。

    しかし,「これまでに無かったカテゴリー行為 (論理的行為/計算)」自体は,目的にならない。 目的は,ある問題を解決することにある。 そして,この問題の解決行為が「カテゴリー行為 (論理的行為/計算)」である。

    さて,この問題がこれまで解決されてこなかったものだとすれば,この問題の解決のためのカテゴリー行為 (論理的行為/計算) は,これまで試みられたものとは違わねばならない。 よって,「これまでに無かった」は結果に過ぎない。
    つまり,意識的な創造活動は存在しなかったわけである。


    以上の推論から,「創造」のことばの用法として,つぎの3態が区別される:

    • 「ノンカテゴリカル」に対して,「創造」のことばを使う。
    • 「これまでに無かったものの実現」を自己目的化する無意味な行為に対して,「創造」のことばを使う。
    • 問題解決を導いた「これまでに無かったカテゴリー行為 (論理的行為/計算)」に対して,「創造」のことばを使う。

    そして教育的用語となる「創造」は,このうちの最後のものである。