Up 学習評価とは? 作成: 2006-10-08
更新: 2006-10-08


    学習には,「わかる・わからない」「できる・できない」という形の自己評価ないし周りからの評価が伴う。 そしてこの評価で,本人や周りが悲喜こもごもする。 自分の「わからない/できない」にいらいらしたり悲観したりして,社会に背を向けたり自傷行動に及んだりする者も出てくる。

    これほど学習評価は本人そして周りにとって重大関心事なのだが,では「わかる・わからない」「できる・できない」とはどういうことなのか?
    評価の悲喜こもごもでは,たいてい,この根本的な問いがばっさり抜け落ちている。 「わかる・わからない」「できる・できない」の意味に思考停止して,勝手に悲喜こもごもしているわけだ。


    「わかる・わからない」「できる・できない」は,実際,単純なことではない。

    学習一般ならともかく,学校での勉強の場合なら単純」と,あなたいま思いましたね。──その考えは間違い。
    算数/数学科だと,各主題について「これは何?」という形の問いを教師にしたら,先ずほとんどが答えに窮する。 例えば,「数って何?」と問えばみんな死んでしまう。
    そこで,つぎのように言いたくなる:
      数の意味をわかっていないのに,
       数の計算ができるからといって「できる」と言っていいのか?


    はっきり言えるのは,つぎのことだけ:

      「わかる・わからない」「できる・できない」は,
      「わかる・わからない」「できる・できない」テストに対する点数の高い・低いである。

    実際,テストの趣向を変えれば「わかる/できる」が「わからない/できない」に (あるいは「わからない/できない」が「わかる/できる」に) 転じることもあり得る。

     注意 : だからテストなんかに意味はない,学校教育に意味はない」に短絡しないこと。ここで言おうとしているのは:
      テストには,それぞれ射程というものがあり,これを意識・理解しておかないと,独りあさっての方向で悲喜こもごもすることになる。