Up 社会人教員 作成: 2007-02-02
更新: 2007-02-02


    教員採用の方法は,「教員採用試験(検)」。 「試験」を使っているのは,教員としての適性・能力を的確に選別するという積極的な理由からではない。 これしかないということで,「試験」を用いている。
    ──「これしかない」の意味は,「物理的に他の方法はとれない」「他の方法では弊害がある」「この先どうなるかはわからないが,ともかくいまは決めなきゃならない」「公平優先」。

    子どもは教師を選べない。 教員の成長グラフは,裏返せば,どの年度の生徒が不運であったか/運がよかったかを示すグラフ。 よって,ロジックとしては,教員は「育つ」ことができない。 現場に投入された最初から,出来上がっていなければならない。

    よって,「そのときに教員としての能力の高い者を教員にする」という理屈が立つ。
      註 : 医局制度が「白い巨塔」ということで,すっかり悪者にされ,医者は医師国家試験合格者がなるものになった。 しかし,「人の命を預かることができる=試験合格者」など,信用できたものではない。 医局制度はそれの弊害によって廃止の方向に進んだが,医者を育て社会に出す形は本来これしかない。
    (Cf. 大工は,棟梁がトップの工房で育てられる。試験で大工を選抜するようになったら,建築は怖くてまかせられない。)