Up 基礎・基本から始める 作成: 2007-06-15
更新: 2007-06-15


    ひとは,基礎・基本から始めるということができない。
    基礎・基本から始めたときの時間の長さ・作業量の多さを考えて,嫌になる。
    そして,近道や,これと関わらないで済ますやり方を,選ぼうとする。
    すなわち,邪道を選んで,正道 (正攻法)を免れようとする。


    邪道は,うまくいかない。
    邪道を選んだ報いが,早晩やってくる。
    それは,失敗とか,先に進むことがもうできなくなる,という形で現れる。
    失敗・不能を無理にしのごうとすると,<犯罪>的な行いに進むことになる。

    結局,地道に正道をやってきたものが勝つ。
    急がば回れ」の格言もある。
    しかし,わかっていてもやらないのが,人の性(さが)。

    基礎・基本から始めるということ自体,すでに達人の域だとも言える。


    教員養成課程は,学生に「基礎・基本から始める」ことをわからせ・行わせようとする。

    教員養成課程の学生にとっての基礎・基本」は,教員にとっても「基礎・基本」。そしてこの基礎・基本の第一のものは,教科の各内容 (主題) についての正しい理解である。
    自分が知らない/わかっていないことは,ひとに教えられない。
    ひとに教えるためには,自分が知る/わかることから始めねばならない。
    単純な事実だ。

      しかし,めんどうなことをやりたくない学生は,これから悉く逃げようとする。
      しかも,困ったことに,近頃は,生き残りのために学生迎合をやり出した大学が,自分の方から「実学」を唱え,大学本来の学を「虚学」のことばで貶めるようになった。