Up 「わからない」がわからない 作成: 2007-06-15
更新: 2007-06-15


    ひとは,自分の「わからない」がわからない。
    自分の「わからない」がわかるようになるのは,成長である。
    この成長は,本来時間がかかる。

    よって,昔の人は「弟子入り」という教育方法を考えた。
    自分の「わからない」がわからない者には,ほかから言ってもわからない。
    わかるようにさせるには,自分でジタバタさせるしかない。
    「弟子入り」は,成長を10年単位で考える。

    昔の人は,ひとの成長というものをよく知っていたわけだ。
    いまは「教育の効率化を学校教育で実現」「学校は成果主義で生き残り」が信じられている時代。 教育を長いスパンで考えそれを実践しているところなどは,全体のごく僅か。


      医者とか教員のような「生殺与奪」の職業は,本来「弟子入り」みたいな教育法で人材を育てないことには,危なくてしょうがない。
      医者の場合,「医局」を諸悪の根源のように言うことが「進歩的」のように受け取られているが,医局制度とは「弟子入り」制度のこと。冷静に考えれば,「資格試験合格者」をそのまま医者として信用する方がどうかしているわけだ。
      教員などは,まったくの未熟者として就職し,そしてすぐに「教員」をやる。 教員は,いろいろたくさん失敗して成長する。一方,生徒は「教師の当たり外れ」に従う。