Up 燃料デブリ : 要旨 作成: 2024-08-09
更新: 2024-08-09


    燃料デブリの取り出しは,ビルの解体作業のようなものになる。

    ビルの解体作業は,ビルを解体しつつ,廃材をトラックに積み,廃材処理場までそのトラックで運んで投棄する。
    この一連の作業──重機・運搬車のメインテナンス作業を含め──には,人が投入されている。
    この<人を投入>が,燃料デブリ取り出し作業では叶わない。
    プロセス全てが,高レベル放射線の被曝になるからである。


    燃料デブリ取り出し作業は,人を投入できないから,ロボットによる作業ということになる。
    そのロボットは,単独で動くものにはならない。
    なぜか?

    単独で動き且つ力の強い機械は,<重機>である。
    力仕事には,支点が要る。
    単独で動く機械は,その支点を自重でつくっている。
    よって,単独で動き且つ力が強い機械は,重くなければならない。

    しかし,燃料デブリ取り出し作業は,重機ロボットの投入ができない。
    ロボットは高レベル放射性物質に汚染されることになるので,メインテナンスができないのである。
    そして,動作に不具合が起こった時点で,それは燃料デブリ取り出し作業の対象物の列に加わるとともに,道を塞ぐ障害物になる。

    そこで,デブリ取り出し作業ロボットは,軌道を動く形のものになる。
    そもそも,作業は放射性物質をまき散らすわけにはいかないから,ロボットは精確に動作する必要があり,したがって軌道を動く仕様になるのみなのである。

    しかし,ロボットの軌道を構築する作業は,これまた「ロボットと軌道」の問題になる。
    堂々巡り!