Up 燃料デブリの試験的取り出し 作成: 2024-08-16
更新: 2024-08-16


    2011年12月,福島第一原発廃炉の公約として,「中長期ロードマップ」が公示された。
    これによると,2021年には燃料デブリ取り出しが開始され,2041〜2051年には廃炉が終了している。

    このロードマップは,いまもそのままにされている。
    取り消すわけにはいかないからである。
    2021年には開始されているはずの燃料デブリ取り出しがいまだに開始されていないことについては,「諸般の事情による遅れ」の表現がされる。

    実際,燃料デブリ取り出しは,無理な作業である。
    というわけで,ロードマップの辻褄合わせになるのが,「試験的取り出し」。

    これは,ペネトレーション (配管等が用途の貫通孔) を使ったロボット作業である。
    しかし取り出しは,ペネトレーションを使ってできるものではない。
    また,「耳かきで取り出すような作業では,拉致があかない」。
    「千年・万年かければすべて取り出せる」は,「取り出せない」と同じなのである。

    そして「試験的取り出し」でさえ,困難多々であって,未だできていない。
試験的取り出し装置
TEPCO (2023), p.19 から引用: