「被曝量」が,「放射線Rから物質Yが吸収する線量」として,つぎのように定義された:
「放射線Rから物質Yの単位質量が吸収するエネルギー (仕事量)」
ここで「物質Y」と一般的に表現されているが,「被曝の影響」はもともと人体に対して考えてきており,「物質Y」として考えているのも,人体の各種臓器である。
しかしこの場合,つぎのことがあって,「吸収線量」をそのまま「被曝量」と見なすことはできない:
「 |
吸収線量は同じでも,放射線の種類 (α線, β線, ‥‥‥) によって,影響の大きさが違う」
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そこで,放射線を等価にするために,「放射線加重係数」をつぎのように導入する:
放射線 |
放射線加重係数 |
γ線,X線 (電磁波) |
1 |
β線 (電子) |
1 |
陽子線 (陽子) |
2 |
中性子線 (中性子) |
2.5〜21 |
α線 (ヘリウム核) |
20 |
重イオン線 (重イオン) |
20 |
そして,「被曝量」を「等価線量 (単位 : シーベルト Sv)」として,つぎの式で定義する:
等価線量 (Sv) = 吸収線量 (Gy) × 放射線加重係数
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