Up 「確率的影響」 作成: 2016-04-28
更新: 2016-04-28


    放射線の人体への影響が,「確定的影響」と「確率的影響」に分けられている。
    それぞれ高線量と低線量の場合になるわけである。

    低線量放射線はγ線である。
    そこで,低線量と高線量の比較を「公平」にするために,高線量をγ線の高線量の場合で考えることにする。

    このとき,低線量と高線量の間は連続している。
    「確定的影響」は,「確率の値の大きな確率的影響」である。
    特に,低線量放射線障害のメカニズムは,高線量放射線障害のメカニズムと同じである。


    低線量被爆では,これが原因で障害を発症する者の出現が推量される。
    一方,障害の現れない者が歴然と存在する。
    そこで,この説明として,線量と障害発生の比例関係を立てられる。
    これが,「LNT 仮説」である。

    「仮説」となっているのは,証明できていないからである。
    証明できないのは,問題対象が複雑系だということがいちばんの原因である。
    例えば教育学で命題を立てればすべて「仮説」とするしかないが,これと同じである。

    「確率的影響」の考えは,障害発生を「弾の当たり所が悪い──不運」で考えるというものである。
    ここで「被弾の急所」として挙げられるのが,DNA とか酵素とか幹細胞とかである。