「新型コロナ」の進捗は,現在つぎのような段階にある:
引っ込みがつかない権力・権威・マスコミが,ごまかしに腐心する。
ひとはこれにも騙され,律儀にお付き合いするばかり。
そしてこれを取り上げるのは,いまはもう「屁は臭い」の論にしかならない。
これに対し,「経済」が俄然おもしろい主題になってきている。
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読売新聞, 2020-09-08
欧世界の債務残高 最悪に
IMF見通し 第2次大戦後 超す
世界各国の2020年の国内総生産(GDP)に対する公的債務残高の比率が、第2次世界大戦直後の水準を上回る見通しとなった。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、各国が景気を下支えする大規模な財政出動に踏み切っているためだ。
国際通貨基金(IMF)によると、先進国、新興国ともに1946年の水準を上回るという。
コロナ対策で膨張 先進国GDP比128%
IMFのリポートによると、20年の先進国(日米欧など27か国)のGDPに対する債務残高の比率は前年よりも23.5ポイント上昇し、128.2%となる。
1946年に記録した124.1%を上回る公算が大きい。
新興国(25か国) も、前年よりも10ポイント高い62.8%になり、過去最高水準になる見込みだ。
世界各国の新型コロナウイルスに対応する経済対策の総額は、少なくとも11ドル(約1170兆円)に及ぶ。
GDPに対する財政出動(現金給付や減税など)の比率は、米国が12.3%と最も高い。
以下、日本(11.3%)、ドイツ(9.4%)、豪州(8.8%)、ブラジル(6.5%)、英国(6.2%)の順となっている。
米国が追加経済対策を検討するなど、各国の公的債務残高は一段と積み上がる可能性が高い。
IMFは「まだ危機を脱したわけではなく、財政措置は必要だ」と説明。
感染拡大の収束が見通せるまでは景気下支え策が不可欠との見方を示している。
公的債務残高の増大はリスクもある。
あまりに増え過ぎると、金融市場での信用が低下する。
債務返済が滞る懸念が高まるためだ。
長期金利が大幅に上昇し、市場から資金を調達することが難しくなれば、国民を守るための政策も実行できなくなる懸念がある。
新型コロナの感染拡大後、レバノンやアルゼンチンが債務不履行( デフォルト)に陥るなど、新興国では財政危機が本格化する例も出始めた。
先進国の債務拡大も、どこまで持続可能なのかは不透明だ。
各国は第2次世界大戦後、高成長による税収増で、債務の圧縮を実現した。
新型コロナの収束後、早期に成長軌道に戻ることができるかどうかが、財政再建のカギを握る。
IMFは「医療制度強化やデジタル化、イノベーション(技術革新)主導型の成長を促進する政策が必要」と指摘している。
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「先進」各国は,新型コロナ対策を「自粛管制&財政出動」にしてしまった。
この「財政出動」は,超大型財政出動である。
この結果は,「債務残高」の螺旋に嵌まるというものである。
螺旋の螺旋である所以は,「これからは抜けられない──深みに嵌まるばかり」ということである。
「先進」各国は,みな日本のようになる。
これからは,日本の<債務残高のうなぎ上り>が世界標準になるというわけである。
これは何を意味しているか。
「公的債務の増加」が「負担を将来世代へ先送り」の意味となる経済理論の破綻──これを意味しているのである。
金 (マネー) は,幻想である。
いま景気回復のために各種「クーポン」が発行され,これを使えば「これまでの値段は何だったんだ!」になるわけだが,財政出動で大量に造られる金は,このクーポンと同じである。
「財政破綻」とは,「金幻想の崩壊」のことである。
ひとは,共同体の幻想が崩壊したときに共同体がどうなるか,想像できない。
ひとは,金幻想が崩壊したときに自分たちがどうなるか,想像できない。
実際,「負担を将来世代へ先送り」なんぞは,家計──金造りをオプションにもたないところの家計──の論理で言っているだけである。
「負担を将来世代へ先送り」の内容がどんなものなのか,わからないで言っているだけである。
「専門家」とは,その程度のものである。
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同上
財政改善 対応難しく
世界各国の公的債務の膨張は、将来の世界経済の成長力を押し下げたり、金融市場が不安定化したりする要因になる恐れがある。
新型コロナウイルスの感染拡大が収束した後、経済を成長軌道に乗せ、財政規律をどう回復させるかが世界共通の課題となる。
各国が財政支出を増やしているのは、企業活動や雇用を維持し、景気回復に向けた基盤を守る狙いがある。
一般に、政府債務が増え、金融市場で財政リスクが意識されると、長期金利の上昇を招く恐れがあるが、現状、先進国の長期金利は落ち着いている。
中央銀行が国債を大量に買い入れているためだ。
だが、公的債務の増加は、負担を将来世代へと先送りしていることを意味する。
野村総合研究所の木内登英エグゼクティプ・エコノミストは「中央銀行による国債の買い支えが、安易な将来への負担の転嫁につながっている」と指摘する。
日米欧の2020年4〜6月期の国内総生産(GDP)は戦後最大規模のマイナス成長に陥った。
新型コロナの収束時期は見通せず、追加の財政出動を求められる局面が来ることも予想される。
緩みがちな財政規律をどう改善させるかを巡り、各国は難しい対応を迫られる。
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金 (マネー) は,幻想である。
ちまたには,様々な「マネー」があふれている。
「仮想通貨」「クーポン」「ポイント」は,マネーである。
これらには,何の裏付けも無い。
そして何の裏付けも無いことは,国が発行の金についても同じなのである。
「債務残高」や「財政出動」のことばには,「対GDP比」がつきものである。
これは,論者が「金はGDPに裏付けられている」の理論に即いていることを意味している。
しかし,金がGDPに裏付けられていないことは,日本の<債務残高のうなぎ上り>財政が直接証明している。
「GDP」を持ち出すのは,ただの騙し──自分で自分を欺く騙し──なのである。
経済学はずっと,「金 (マネー) を裏づけているもの」を求め,そしてこの構えにより間違ってきた。
裏付けを「金(きん)」にしたり,「労働力」にしたり,そして「GDP」にしたりしてきた。
これらマネー裏づけ論タイプの経済学は,すべて間違いとなる。
金 (マネー) は,幻想である。
何の裏づけも無い。
「新型コロナ後は,経済が俄然おもしろい主題になる」というのは,金幻想がどのように崩壊するものなのか誰も想像できないが,これをもしかして見ることができるかも知れないということである。
「金幻想崩壊」は,従来の経済学が「恐慌」と呼んできたものとは違う。
「恐慌」の「金が使えなくなる」は,あくまでも「この金が使えなくなる」であり,「通貨崩壊」である。
金幻想は保持されたままである。
そして通貨崩壊なら,回復の形がある──強い外貨を使うとか,デノミによって新しい国内通貨をつくるとか。
しかし金幻想崩壊には,回復の形がない。
金幻想崩壊とは,金幻想が「旧習は廃れるのみ」の「旧習」になるということだからである。
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