Up 「水際対策」 作成: 2021-11-27
更新: 2021-11-27


    読売新聞, 2021-11-27

      同上
     南アフリカの国立伝染病研究所などは25日、新型コロナウイルスの新たな変異株が検出されたと発表した。 変異を繰り返し、感染力が従来の変異株より強くなった可能性があるという。 英国が南アと周辺国からの直行便乗り入れを禁止するなど、各国に入国制限強化の動きが広がっている。
    香港でも確認
     同研究所の発表などによると、新たな変異株は南アと隣国ボツワナ、香港で検出された。 南アの1日当たりの新規感染者数は今月中旬から増加傾向にあり、25日は2465人を記録。新たな変異株が要因の可能性も指摘されている。
     英政府は新型変異株が南ア周辺に広がった可能性があるとして、南アとナミビア、ジンバブエ、ボツワナ、レソト、エスワティニの6か国からの直行便乗り入れを26日正午から28日朝まで禁止することを決めた。 それ以降は運航を認めるが、入国者は10日間隔離する。
     サジド・ジャビド英保健相は記者団に、新型変異株はインド由来の変異ウイルス「デルタ株」よりも感染力が強く、「現在のワクチンがより効きにくいかもしれない」と述べた。 英国の保健衛生当局は地元メディアに、新型変異株は中国・武漢で確認された従来型のウイルスとは「根本的に異なる」と語った。
     イスラエルは25日、南アなどアフリカ南部7か国からの外国人の新規入国禁止を発表した。 イスラエルでも1人、新型変異株への感染が確認された。 イタリアやチェコ、シンガポールも南アなどからの入国規制を決定。 欧州連合 (EU) の執行機関・欧州委員会も、南アなどからの直行便乗り入れ禁止を加盟国に呼びかけた。
     香港では、新たな変異株の感染が2人確認された。 南アから入国したインド籍の男性が隔離用のホテルに滞在中に陽性と判明。 その5日後、向かい側の部屋で隔離を受けていた中国籍の男性の感染が確認された。
     新たな変異株への対応について、水谷哲也・東京農工大教授(ウイルス学)は「検疫での水際対策を確実に行うとともに、国内の監視態勢を強化して速やかに変異株を発見できるようにすることが重要だ」と強調した。
    日本も水際対策強化
     政府は26日、南アフリカなどで新型コロナウイルスの新たな変異株が検出されたことを受け、同国などアフリカ6か国の水際対策を強化すると発表した。 27日午前0時から実施する。
     対象となるのは南ア、ナミビア、ジンバブエ、ボツワナ、レソト、エスワティニの各国。 6か国を訪れた日本人らに対し、帰国後、待機施設で10日間の待機を求める。 これまで施設での待機は求めていなかった。 新たな変異株の流行が広がった場合は対象国の拡大も検討する。
     松野官房長官は26日の記者会見で、「新たな変異株は感染性が増している可能性があるとの情報や、ワクチンの効果が不明だとの情報がある」と説明した。


    ウイルスのことを,ひとは学習できない。
    ひとは惰性に嵌まっていることを,自覚できない。
    群泳の中のサンマ,群飛の中のムクドリと同じである。


    抗体は,相手のウイルスが変異したら効かなくなる。
    だから体は,ウイルス対策にがんばるようなことはしない。
    その都度柔軟に応じるという方法論を身につけている。

    一方「専門家」たちは,これまでの抗体が無効になることを,「ウイルスの感染力が強くなった」と思う。
    そしてひとは,彼らのことばを真に受けて,「強くなる一方」の変異ウィルスに恐怖する。


    ひとは「水際対策」の意味を取り違えている。
    水際対策の対象は,物理的に阻止できるものである。
    そして新型コロナウイルスは,物理的に阻止できないものである。

    「水際対策」の内容は,対象国からの入国者に「10日間隔離」を措置し,この間発症しなければ解放する,というものである。
    ウイルスを発症者とイコールにしているわけである。
    ひとは,ウイルスと発症者の区別ができない。
    ひとは,感染と発症を区別することを知らない。

    新型コロナウイルスの感染は,空気感染である。
    新型コロナウイルスは,「空気」である。
    感染者を乗せた船・飛行機では,すべての者が感染している。
    彼らは,10日間隔離で発症せず解放される。
    そして,行く先々でウイルスをひとに伝える。


    マスコミは,理研の「富岳による飛沫シミュレーション」の絵を流し,ひとにこれが新型コロナウイルスだと教える。
    そこでひとは,マスクをつけアクリル板を立てることを「感染対策」だとする。

    実際は,あの絵は「噴水」の絵である。
    新型コロナウイルスは,水ではなく,空気である。
    シミュレーションしなければならないのは,噴水 (水しぶき) ではなく風 (空気の流れ) なのである。

    もちろん,<ウイルス=風>のシミュレーションはウイルスを知らない理研の研究者には無理なことである。
    だから,噴水の絵でごまかしてくるのである。
    そしてひとがこれにまんまと騙されるというわけだ。

    空気は,おどおど吸っても,大きく吸うのと変わらない。
    マスクを通してウイルスを呼吸することは,マスクをつけずにウイルスを呼吸することと変わらない。
    大地の気を呼吸しているつもりで,ウイルスを呼吸していればよいのである。


    変異株の感染者が見つかったところは,変異株がすでに拡散している。
    香港やイスラエルの人は,すでに変異株を吸い込んでいる。
    即ち,感染している。
    香港やイスラエルが感染しているということは,そこからひとが入ってくる国も感染しているということである。
    「水際対策」を唱えた国は,既に国内で感染が進行している。

    新型コロナウイルスの感染は,こんなもんである。
    どうってことはない。
    しかしひとは,このことをもう十分学習していてよいはずなのに,学習していない。
    憂うべきは,こっちの方である。