Up 「新規感染者数」のナンセンス 作成: 2022-01-21
更新: 2022-01-21


    「新規感染者数」のナンセンスについては,これまで何回も論じてきた。
    ここは,根比べである^^;


    <いま検査したら陽性になる者>の数を本当に知りたいのなら,サンプリング調査をすればよい。
    例えば,人口1400万人の東京で無作為抽出したn人に検査をしてm人に陽性が現れたら,都民のn分のm が<いま検査したら陽性になる者>ということになる。 ──もし,1000人に検査して 10人に陽性が現れたら,14万人が<いま検査したら陽性になる者>である。
    サンプリング調査しないのは,世を動かしているのが,本当の数がわかると不都合になる者たちだからである。


    「新規感染者数」は,陽性者を発掘すれば増え,発掘しなければ減るというものである。
    検査場を設けてひとがこれに向かうように導けば,「新規感染者数」は増える。
    これをやめれば,「新規感染者数」は減る。
    陽性者から芋づる式に近接者をたどれば,「新規感染者数」は増える。
    これをやめれば,「新規感染者数」は減る。

    実際,自治体は,「新規感染者数」が増えて手に負えなくなると,陽性者の発掘 (呼称「疫学調査」) をやめるという方法で「新規感染者数」を減らしてきた:

      読売新聞, 2021-08-21
    保健所「苦渋の選択」、濃厚接触者などの調査縮小へ
    …「追いつかないのが現状」
     ‥‥‥
     埼玉県内で初めて1日当たりの新規感染者が2000人を超えた19日。県春日部保健所(春日部市)の一室では、約50人の職員がひっきりなしにかかってくる電話などの対応に追われていた。‥‥‥
     管内の1日当たりの新規感染者は、今春の「第4波」は10人程度だったが、「第5波」の現在は80人ほどに増えた。8月に入ってからは、受け入れ先の病院が見つからず、やむなく自宅療養となる感染者が後を絶たない。保健所が健康観察を担う自宅やホテル療養者らも、これまでより大幅に増えて約600人に上る。
     こうした状況は他の保健所も同じで、県は6日、濃厚接触者や感染経路を調べる「積極的疫学調査」の縮小に踏み切った。これまでは職場の関係者や知人らも調べていたが、現在は家族や、高齢者施設などの関係者らリスクの高いところに絞っている。
     田中所長は「疫学調査は感染拡大を食い止める意義があるのでしっかりやりたいが、追いつかないのが現状。苦渋の選択です」と話した。
     調査縮小の動きは他の自治体でも相次いでいる。
     東京都では、冬の第3波に続いて、10日付で各保健所に通知を出し、クラスターが発生しやすい施設などでの調査を優先させる方針に切り替えた。神戸市や那覇市でも、勤務先などの調査は行わず、対象範囲を感染者本人や家族らにとどめている。
     大阪市保健所も、6日から濃厚接触者の追跡調査の範囲を縮小。通常時は2週間前に遡って対象者を聞き取っているところを「発症2日前」などに絞って実施している。市は「人材は無尽蔵にあるわけではない」とし、感染者が増え続ければ、濃厚接触者の調査自体を取りやめ、感染者の健康確認を優先する方針だ。


    この度も,この方法が択られることになる:
     読売新聞, 2022-01-21

    これを進めれば,「新規感染者」は着実に減ることになる。
    ただし片方でつぎのような動きもあるので,ぐずぐずした状態はしばらく続きそうである。
      NHK, 2022-08-21
    東京 世田谷区 抗原検査キット 区民などに無料配布始める
    東京・世田谷区は、希望する区民や通勤や通学で区内に通う人を対象に、抗原検査キットを無料で配布する取り組みを始めました。
    世田谷区では、これまで区内の保育園や幼稚園に通う子どもがいる世帯などに抗原検査キットを無料で配布する取り組みを行ってきましたが、感染の急拡大を受けて、21日から希望する区民や通勤や通学で区内に通う人にも対象を広げることになりました。
    21日配布が始まったのは「二子玉川公園」と、「烏山区民センター前広場」の会場で、このうち二子玉川公園では午前中から大勢の人が列を作りました。
    キットを受け取った71歳の女性は「先日、ドラッグストアで見当たらなかったので、とてもありがたいです。孫を預かることがあるので、その前に検査をして感染していないことを確認したいと思います」と話していました。
    今月24日からは「成城学園前駅南口広場」でも配布を始める予定で、期間はいずれも来月22日までであわせて4万キットを用意するということです。
    また、来月からは区内のおよそ200の薬局でも無料で配布することにしていて、20万キットが用意されます。
    世田谷区は「希望する人が検査を受けられるようにすることで、感染拡大の抑止につなげたい」と話しています。