Up 「医療崩壊」 作成: 2020-04-03
更新: 2020-04-03


    「自粛」政策は,集中治療扱いにしなければならない感染者の数を,限界ライン ──集中治療施設のベッド数に代表される──の下に抑え込もうとするものである。
    医療関係者は,この限界ラインを「医療崩壊」と呼び,つぎのグラフのAにならないようBを実現する政策を主張し,そしてBよりはCを願う:
    先ず,BやCにはならない。
    Aでおしまいである。
    しかしそれを言っては元も子もないので,いまはこのグラフに付き合うとしよう。

    このグラフは,「自粛」による生活崩壊進行の目盛を合わせてプロットすべきものである:

    感染死亡の危険が唱えられるばかりだが,片や生活崩壊による自殺というのもあるわけだ。
    首を吊る者は,「命・健康第一」を嗤う者である。

    医療関係者は長引く方がありがたいことになるが,生活崩壊を免れるには「医療崩壊」に構わず感染をさっさと済ませるのよい──となる。
    マスコミが「本日の感染者○人」のナンセンスな数字に舞い上がっているのに隠されて,生活崩壊レベルは日増しに上がっている。
    失業・倒産は,報道されるのが少ないだけで,進行していることになる。


    高齢者や持病持ちが重症化しやすいのは構造的な理由からであるが,これと同様に,失業・倒産にも構造的になりやすいところがある。
    それが,観光業である。

      読売新聞, 2020-04-01
    弟子屈のホテル 自己破産申請ヘ
     東京商工リサーチ釧路支店は31目、弟子屈町川湯温泉で観光ホテル「名湯の森ホテルきたふくろう」を経営する「自然塾」(小野克美社長) が事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったと発表した。
     屈斜路湖に近接するホテルを2018年に買収して事業を引き継いだが、新型コロナウイルスの流行で宿泊予約のキャンセルが相次ぎ、資金繰りが悪化したという。 3月9日付で全従業員を解雇した。 負債総額は約3億9000万円。