Up 「授業数」の扱い──緊急事態法対応 作成: 2020-04-26
更新: 2020-04-26


    ひとは「自粛」を正義にすることにすっかり慣れてきて,近頃は「学校は9月から再開」論まで出て来ている。

    日本は,法治国家である。
    国が措置することは,法に基づかせることになっている。
    一般者は知らないが,「授業数」も実は法で定められている。

    そこで,学校再開のときは,休校のため消化できなかった授業数を,年度の残りの期間中に消化せねばならないことになる。
    そして「9月再開」ともなれば,これはもう消化不可能な数字になる。

      教育行政はいまのところ,夏休み期間を授業消化に使うことを当て込んでいる。
      夏休み前までに「自粛」が終わることを当て込んでいるというわけである。


    消化不可能な数字になったときの措置は,一つである。
    法を曲げるである。
    ただし,法を曲げるにも法が要る。
    「緊急事態」の理由を以て授業数が少ない年度であることを許す法である。

    これには「たいへん」と「どうってことない」の両面がある。
    実際,どう見るかは,ひとの世界観と立場,そしてその時々の気分次第である。
    それでも,学校教育に足を突っ込んでいる者には,やはり「たいへん」である。

    彼らは,自らディレンマに立ってしまっている。
    これまで「生徒の安全」を言ってきているので,「自粛」延長を唱えるしかない。
    延長するほどに,積み残しの授業数が増える。
    そしてこの授業数を何とせねばならない者は,他ならぬ自分である。