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守屋章成 (2021), p.39
新型コロナワクチンについてのデマ
「ウイルス遺伝子が自分の遺伝子に!」
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コロナワクチン中のウイルス遺伝子はどう逆立ちしてもヒト遺伝子には組み込まれない …「セントラルドグマ」
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コロナワクチンはレシピ本の一部をコピーしただけ;
コピーが他の本に勝手に入ってページの一部になることはあり得ない。
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レシピ本のコピー (mRNA) は不安定;数分〜数日以内に分解
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この論は,デマゴギーである:
「どう逆立ちしてもヒト遺伝子には組み込まれない … セントラルドグマ」
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細胞に注入した RNA が DNA に逆転写され,ヒト遺伝子に組み込まれることが有るか無いかといえば,有る。 ( ウイルス内在化)。
また,セントラルドグマは,「どう逆立ちしても起こらない」とは無関係である。──セントラルドグマは,タンパク質生成が DNA → mRNA → 蛋白質 の順番で成ると言っているだけである。
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「コピーが他の本に勝手に入ってページの一部になることはあり得ない」
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それが何かのコピーであろうとなかろうと,RNA が DNA に逆転写されヒト遺伝子に組み込まれることは有る。
コピーが他の本に勝手に入ってページの一部になることがあり得るかあり得ないかといえば,あり得るのである。
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「レシピ本のコピー (mRNA) は不安定;数分〜数日以内に分解」
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ここは,「だからなんなんだ」と返すところである。
「専門家」の思う<不安定・短命>は,体にとっては十分安定・長命であり得る。
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専門家が「理論的にあり得ない」「原理的にあり得ない」と言うとき,このことばの意味は「自分が聞いてきた話を自分なりに解釈すれば,あり得ない」である。
ひとが生物の体について知っていることは,知らないことと比べれば,無いに等しい。
「理論的に」「原理的に」ということばは,生物学や医療では使えないことばである。
経験の浅い者は,科学が立てる理解モデルを,本物と思ってしまう。
モデルは,本物とは違う。
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守屋章成 (2021a)
「接種によって人体に入ったウイルス遺伝子がヒト遺伝子に組み込まれてしまい個体や子孫に遺伝学的な影響が出る」という不安ないしデマが世間で語られているようだ。
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そもそも,ヒト細胞に種々のウイルスが感染するたびに,ウイルスの全遺伝子が細胞内に放出されてヒト細胞はそのコピーを大量生産させられている。
ワクチン内のウイルス遺伝子がヒト遺伝子に組み込まれてしまうならば,それ以前に世界には「インフルエンザ人間」や「ノロウイルス人間」のような「ウイルスハイブリッド人間」が数多く誕生していなければ辻褄が合わない。
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「数多く誕生していなければ辻褄が合わない」と言っているが「数多く」である必要はない。
部分的組み込みレベルでは,大なり小なり起こっていることになる。
そして,「誕生」と言っているが,「誕生」は組み込みが生殖細胞で起こった場合である。
デマゴギーの常套は,このように implicaton を盛ることである。
念のため:
mRNA ワクチンでは,筋肉注射された Spike遺伝子が,細胞を特定せずに,細胞内に送り込まれる。
これは,生殖細胞に入ってしまうこともあり得るということである。
ここで「逆転写されてヒト遺伝子に取り込まれる」の可能性を残すと,「子に遺伝──ミュータント」の主題につながっていくわけである。
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