Up ワクチンの有効率は90%超」に騙される 作成: 2021-09-12
更新: 2021-09-13


    マスコミは,「ワクチンの有効率は90%超」を唱えて,ワクチン接種を煽る。
    大衆は,これにも簡単に騙される。

    大衆は,「有効率」の意味に思考停止する。
    思考停止するのは,専門の話になると想うからである。
    一方,「90%超」のことばはわかったつもりである。
    即ち,「有効率90%超」とは「ほとんど確実に有効」ということだ,と。
    さらにこれを裏返して,「ワクチンを接種しないのは危ない」にする。
    こうして,「これはもうワクチンを接種するしかない」となる。


    「有効率」は,つぎの式で計算されるものである:
      (1 − 接種者発症率 ÷ 非接種者発症率 ) × 100

    例えば,つぎはすべて「有効率 90%」である:
接種者発症率 非接種者発症率
0.01 0.1
0.001 0.01
0.0001 0.001
0.0000001 0.000001
    接種しないと1千人に1人が発症するが,接種すると1万人に1人で済む」と言われて「じゃあぜひとも接種しよう」とはなるまい。
    しかしこれも「有効率90%」である。


    「有効率 90%超」は,誇張である。
    変異株がワクチンの効果を弱めることは,わかり切っていることである。

    厚労省 第42回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード (令和3年7月7日)資料4「新型コロナウイルス感染症(変異株)への対応等」には,つぎの文言が見える:
     「 Pfizer社製、AstraZeneca社製のワクチンの本変異株 [デルタ株] に対する暫定的な有効性はそれぞれ 87.9%、59.8%であった」
    そしてこの数値も,これで固定したわけではない。
    数値は今後小さくなる一方である。


    しかし「有効率 90%超」の問題は,数値が誇張であることよりも,最初に述べたようにひとがこれを「ほとんど確実に有効」と受け取ることである。
    定義に過ぎない「有効率」を「有効性」の意味にしてしまうのである。
    上に引用したアドバイザリーボード資料の文言も,「有効率」を「有効性」と言っている。
    「有効率」を「有効性」と混同するのは,専門家/厚生行政も同じというわけである。

    「ワクチンの有効性」というものは,総合的に考えることになるものである。


    新型コロナはただの風邪である。
    ひとは,とっくに感染を経過している。
    マスコミは躍起になって「そうではない (パンデミックだ)」をキャンペーンしているが,ただの風邪である (パンデミックではない)。
    新型コロナに警戒しなければならない者は,「風邪は万病のもと」に警戒しなければならない者であり,それは体の抵抗力が落ちている者である。

     註: 毎年6月に公表されることになっている厚労省『令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況』は,昨年は公表が見送られた。
    そして今年公表されたそれには,「第6表 死亡数・死亡率 (人口10万対),死因簡単分類別」に──「インフルエンザ」の項目はあるが──「新型コロナ」はない。
    さらに興味深いことに,本来なら「インフルエンザ」と並んで「新型コロナ」の項目が入ることになる「呼吸器系の疾患」は,死亡数が 172,704 で,前年の 193,234 より 20,530 の減。
    以上に対し窺われてくることは,所謂「新型コロナの死亡数」には「風邪は万病のもと」の死亡数が多く回収されている,である。


    そして,体質によっては「発症」よりも「副反応」の方が問題になる場合もある。
    つぎは,厚労省が発表している「副反応疑い」死亡数と発症による死亡数の比較である:
「副反応疑い」死亡数
(8/22 報告分まで)
発症による死亡数
(8/25 まで)
10歳未満 0 0
10 代 1 0
20 代 9 13
30 代 9 41
40 代 13 133
50 代 34 355
60 代 66 1037
70 代 197 3144
80歳以上 512 8534
841 13247