Up 生活困窮者 (「貧乏」) 作成: 2020-04-02
更新: 2020-06-14


    生活困窮者のニッチは,「自粛」で壊される。
    そして彼らは,「給付」も届かない境遇にあることが多い。

    さらに,「自粛」では,彼らの存在がすっかり隠される。
    即ち,一般者が生活困窮者ということになり,この新種の生活困窮者によって,存在が隠されるようになるのである。

    「自粛」できるのは金持である。
    貧乏な者は,「自粛」では生活が立たない。
    「自粛」は,図らずも,金持と貧乏の違いを歴然と見せてくれることになった。

     註: 皮肉にも,いちばんの金持は年金生活者だということになる。
    金持は,金をいっぱい持っているかどうか決まるのではなく,何もせずとも生きられるかどうかで決まるというわけである。

    <金持 vs 貧乏>の状況は,社会主義を掲げる政党が己の出る幕とするところだが,「自粛」が現す<金持 vs 貧乏>ではひっそりの(てい)である。
    正義を標榜しているからである。
    「自粛」の正義の「命・健康第一」の前には,頭を低くするしかない。


    「貧乏」は,極まると「犯罪に行くしかない」となるものである。
    この「貧乏」が党をつくるとすれば,「悪党」ということになる。
    昔は,「犯罪に行くしかない」の引き受け手に,やくざがあった。
    やくざのポジションは,まさしく「悪党」である。
    戦後の焼け跡から,暴力団が生まれた。
    さて「自粛」の焼け跡は,悪党を生むことになるか?