Up | 備考「自意識」: 要旨 | 作成: 2017-10-13 更新: 2018-05-09 |
例えば,カラスには自意識が有り,サンマには自意識が無い。 自意識には,活性化と不活性化の局面がある。 「活性化の局面が僅かである者」は,「自意識が無い者」と区別がつかない。 こうして,自意識が有る者と無い者の間は,切断ではなくグラデーションで考えるものになる 自意識の契機には,「集団」がある。 この「集団」は,<わたし>が自分の位置取りを要するような集団である。 実際,自分の位置取りを計ることが,「自意識」である。 「位置取り」の契機は,集団の中の生存競争である。 サンマは集団を形成するが,自意識が無い。 それは,集団の中の生存競争が無いからである。 餌は,個々に均しく分布する。 カラスには,群れの中の生存競争がある。 強い者が餌を優占する。 餌の乏しい冬季は,群れの中の死亡率が高まる。 実際,カラスの数が爆発的に増えないのは,その年に生まれた個体数と同じ数のカラスがコンスタントに死んでいるからである。 <わたし>は脳の機能であるとした。 「自意識」に対しては,象徴的に「大脳」のことばを用いることにする:
自意識の有無を<わたし>のサブカテゴリーとして立てることには,意義がある。 ひとは<わたし>に対し「自意識」を措きたがるからである。 あるいは,<わたし>と「自意識」を区別しないからである。 |