Up | <個>の措定は, 「動物」から | 作成: 2018-04-30 更新: 2018-07-16 |
この<動く>は,生物一般の<カラダのシフト>とは区別される。 生物は,自己組織化する系である。 生物一般の<カラダのシフト>は,<自己組織化>の一内容である。 <動く>は,自己組織化のダイナミクスでは実現されない。 <動く>を実現するのは,中枢からの命令である。 翻って,動物とは,中枢の指揮系統をもつ生物種のことである。 この「中枢」を「脳」と呼ぶ。 よって,動物とは,脳をもつ生物のことである。 ──ただし,<脳をもつ>は進化の中に現れてくるものであるから,<脳をもたない>から<明確に脳をもつ>の間はグラデーション模様になる。 動物は定形であり,自ずと<個>を現す。 植物では,つぎのことが,個の画定を不可能/無意味にする: 動物の「定形」は,「脳」の含意である。 中枢の命令は,組織の一定形を前提につくられるものだからである。
動物が栄養繁殖しないのは,脳の配分ができないからである。 <個>は,脳の機能の発現である。 脳が,<個>と<個>を導き,両者を同値の概念にする。 (<個>の内包が<個>,<個>の外延が<個>。) こうして,<個>の措定は,(脳をもつ) 動物からということになる。 植物の<カラダのシフト>は, 「化学反応系の自己組織化」のイメージになる。 植物に<個>を見るのは,誤認・錯覚である。
ひとは,自己組織化する系に対すると,知性を感じる。 自己組織化の巧妙さ・不思議さに原因を求め,それを知性とするのである。 そして,その自己組織化する系を,知性を持った個にする。 さらに,この存在が自分の生活にとって重要な存在であるときには,神にする。 こうして,太陽が神になり,大きな山や川が神になる。 大木には木霊が存することになり,大きな岩にも霊が存することになる。 小学校で「水を褒めたらおいしくなる」が教えられたこともあったくらいである。 |